ストーリーは以下の公式サイトを見てください。
http://august-soft.com/eustia/story.html
さて、まず
ルート構成から。
一本道です。各章の終盤に各ヒロインENDへと分岐します。
なんちゃら編とかは勝手に俺が書いただけで公式の設定ではないですから注意
1章はティアとの出会いなど、物語の序章。体験版はこの部分でした。
2章は黒羽編。フィオネシナリオです。物語の終盤に選択肢があり、そこで共通ルートを進むかフィオネENDを見るか分岐します。
3章は風錆編。エリスシナリオです。これも終盤の選択肢で共通を進むかエリスENDか分岐します。
4章は聖女編。聖女イレーヌシナリオです。中盤で共通と聖女イレーヌ(本名コレット)ENDと分岐、終盤でラヴィリアENDと分岐します。
5章は王城編。リシアシナリオ。これも終盤でリシアENDと分岐します。
6章がトゥルーエンドでユースティアシナリオ。
各章がそれなりの長さがあり、合計すると結構なボリュームになると思います。
・絵安定のべっかんこうです。
判子絵といわれるべっかん絵ですが、今作もまあいつものべっかんこうさんなのでキャラクターの絵が好きになるかはべっかんこう絵が好きか否かで分かれるんじゃないでしょうか。
俺は別に嫌いでも好きでもない。でもどっちかというと好き・・・なほうなのかなあ・・・
まあともかく、イベントCGも安定したクオリティです。
そして背景が素晴らしいです。
ファンタジーな世界観を見事に表現できていると思います。
牢獄(簡単にいえばスラム街と娼館街)と下層(いわゆる下町)、上層(所謂山の手)、聖堂、王城の書き分けもしっかりできていますし、細かいところまでしっかり書き込んであります。
システムかゆいところに手が届く。マウスジェスチャは素晴らしい。
キーバインドも設定できますし、必要な設定項目は一通りそろっています。
雨のシーンではきちんと雨が降りますし、地震のシーンではきちんと画面が揺れます。
カイムの回想シーンのノイズののり方などもよくできています。
さらに大崩落のシーンでは牢獄が崩落していく演出が入ったり、かなり手が込んでいる印象です。
満点をあげても良い出来ですが、結構重めなのと(まあメインPCでは超余裕ですが)、環境によるバグが結構あること、AQUAのシナリオプレーヤーでも星4つだったのでその辺を考慮して今回も星4つで。
音楽素晴らしかったです。
シーンによる音楽の使い分けもうまいですし、ボーカル曲もなんと4曲用意されています。
オープニングテーマのアスフォデルスは素晴らしいですし、挿入歌(6章の始めに流れます)もよかったです。
各エンドの曲、トゥルーの曲とこれだけのクオリティの曲を4曲も準備してあるのは流石八月。金持ちすなぁ。
ちなみに、曲が切り替わる場面で右上に曲名が表示されるシステムはとても素晴らしい。
シナリオ世界観の説明と、ティアの境遇、主人公たちの関係など、まったく説明くさくなく、AQUAやいろセカと比べてライターの質の違いを感じました。
まあもちろんいろセカのような複雑~な世界観はたしかに説明しずらいから仕方ない部分もあるんだろうけど・・・
でもユースティアはつかみもしっかりしていて、最初からこの世界観に引き込まれます。
テンポもよく、キャラクターもしっかり立っていて安定したクオリティだと思います。
先に欠点を述べます。
・分岐後が致命的に短いリシアルートはそれなりに長いですが、そのほかのヒロインのルートは完全にオマケ、基本的にヒロインと主人公がどうなったか・・・という話と、Hシーンのみとなります。ですので、キャラ萌えゲーを期待して買った人はえらい目にあいます。
たぶん全ヒロインの中で一番いい境遇なのがリシアですので、リシアファンの方は喜んでいいと思います。
・ユースティアEND(トゥルーエンド)が"半BADEND"で後味最悪おそらくこれでレビュースコアが平均して5点以上は下がってるんではないでしょうか。
そもそも、オーガストという会社にBADは求められていません。
"安心安全のオーガスト"とか言われるくらい安定したメーカーだったのに!
ネタバレしてしまうと、ティアちゃんマジ天使。神様になって主人公たちを見守っているよ!ENDです。
どっかで見た気がしますがきっと気のせいでしょう。
更に欝を加速させるのが、おまけシーンのHシーン。ティアといつまでも幸せな生活を送る主人公が描かれます。
ただし
夢オチです。
・エロシーンの半分以上はオマケ。しかも"if"エロシーンは、1キャラに4つづつという大ボリューム。"どっかのメーカー"に爪の垢を煎じて飲ませたいですね。
ただし、基本的にメインシナリオ中で語られるのは2シーンです。
残りの2つのシーンは、おまけシナリオで読めるおまけシーン。更に物によってはメインシナリオとは別の"if"の物語です。
ちなみにティアだけは、メインルートでのHは1回だけ、残り3シーンがおまけシナリオです。
しかも基本的に話とはかかわりがあまりないので、エロシーンだけとっぱらえば簡単にコンシューマに移植できる素敵仕様となっております。ただしこれ移植してもCERO Zになりそうなのであんまり意味ない気が・・・
・ティアシナリオにはいってからの主人公がうざい今までのイケメンっぷりはどこへいったのかというくらい悩みまくります。
まあでも僕は別にこれはこれでありだと思ったのでそんなに悪い点だとは思いませんでしたが。
悪い点はこのくらいかな。
基本的に複線は回収していますし、リシアシナリオはとてもよかった。
心理描写もしっかりしていてそれでもって説明くさくなく、テンポもいいですしサクサク読めます。
サブキャラも魅力的です。特に不触金鎖の面々がかなりいいキャラしてます。
ティアシナリオ以外は主人公はイケメン。凄くしっかりしていて頼りがいがあります。
というわけで星4つです。
AQUA、いろセカと日常シーンが残念なゲームをやってきたのでこのクオリティには安心します。
世界観典型的なファンタジーみたいな感じの世界観ですが、設定がしっかり練りこまれている感じがして好感が持てます。
絵の雰囲気やシステム面での演出もうまくいっています。
トゥルーエンドとの関わりもしっかりあってよかったと思います。
というわけで、かなり面白かった。
でも読んでるとこのレビューはちょっと褒めすぎな気がする。
とはいっても、これはやらないと損だと思います。
八月アンチには、"いつもの八月"といわれ、八月信者には"地雷認定"されちゃった悲しいゲームですが、完成度はピカイチです。
でもティアルートは許さない