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ついにてにいれたげんりのかいぞく





 なんと例のカズタカがオーストラリアという異国へ旅立っているそうです。
その所為でしょう。
みなさんお祭り騒ぎでブログを更新しています。
 みその更新率がすごいです。
うかれすぎです。
 私としては知り合いで死者さえ出なければ、どんなけズタボロになって帰ってこようがかまわないのですが、あの子は身体的には無駄に元気なのでそんなこともないでしょう。
 ふう、さっさと帰ってきてSAでもやろうぜ。


 さて、いいもの見つけた。
脱出ゲームなんだけどさ。
何を隠そう私、この手のゲームが大好きでして。
暇があればあさっているんです。
 で、こういうのってもうすごい数作られてて。
王道といわれるものもいくつかありまして。
私はそういうのはもう見飽きた感があるので、何かこうネタにあふれるものを探す日々なんですが。
つい先日たのしいものを見つけた。 
 コレなんだけどさ。
まず音楽がいいね。
こういうの好きだわ。
落ち着いて脱出できる。
 でも着目すべきはそこではない。
やってみると分かるけれど、最初主人公は地下に降りていくんだよね。
どうやって降りるかっていったら足場がくるくる回る階段。
これに関しては百文は一見にしかずなんだけど。
この階段、もちろん地下と地上をつないでいます。
はい、もう分かったと思います。
この脱出ゲーム、アイテムとか一切とらないでただひたすら階段を上ろうとすれば脱出できちゃいます。
 何を隠そう私も
「なんこれ・・・もう意味分からん、無理できな・・・あれ?そういえばこの階段・・よし」
とか考えて、ひたすらに左クリックを続けていたらいつの間にかクリア画面が目の前に現れました。
 まぁさすがにそれはエンドの1つであって、他にも3つほどクリアルートが存在します。
暇があればやってみて損はないかと思いますが、とりあえず階段脱出チャレンジしてみてください。

 PS,3つまではクリア方法分かったのですが、夕焼け空じゃないエンドがどうやったらいいのか・・・


 そういえばテスト終わったあたりに高っちょ物語を書くとか言ってたんだけど、全く考えてなくて。
でも最近暇だから書いてみた。
 できはすごい幼稚+厨二だが気にスンナ。
もうなんかラブっときゃいいかーって感じ。
じゃ、追記に。


 神様は僕ら人間にいろいろなものをくれた。
それらは生活を支えていたり、また一人一人の特性として認識されたりもする。
”アビリティ”はその最たるものだ。
個人個人それぞれに与えられた能力。
それらはまさに十人十色、多種多様だ。
”アビリティ”はランダムに分配された、そう学校では教わった。
本当にそうだと思う。
じゃなかったら神様はどれだけ僕のことが嫌いなんだ。

 僕の名前は高原 徹。
中学1年生になったばかりだ。性別は勿論男だ。
言いたくないけど、最近話題のメタボリック症候群。
身長が低いわけではないんだけれど、体重と比較するとどうも・・・・ね。
 そして肝心な僕の”アビリティ”は・・・・”天使の矢”通称『エンジェル』。
本当に。なんでよりによってこんな嫌がらせのような能力なんだ。

 『エンジェル』
召還タイプの”アビリティ”。
一体の女神を使役することができる。
その女神を使役することが、この能力を持つものに与えられた権限。
使用できるスキルは、能力者によって違うが、最初に持つスキルは<キューピッド>。
二人の名を女神に唱え、その二人を思い浮かべることで恋仲にさせることができる。
しかしその内の一人を自分とすることはできない。

 こんな乙女な能力を、こんな僕が持つなんて一体どうなっているんだ。
汗かきで、メタボで、対人恐怖症の僕が持つなんて。

 ***

 もうすぐ暑い夏がやってくる。
けれどまだまだ夏休みにはまだ遠い。
「はぁ・・・・」
僕はため息をつきながらいつもの通学路を歩く。
 僕は市内の公立中学に通っている。
カリキュラムはすべて能力に関する知識だ。
偉大な能力者の歴史、能力の知識、そして実際の使用だ。

 僕らの国は軍事国家だ。
それぞれの国がそれぞれの領土をめぐって長い間戦争を繰り広げている。
今は国のトップである女王様が、すごく穏やかなおかげで最近は大きな戦争はない。
けれどやはりいざこざは起きてしまうし、他の国では相変わらず戦争は続いている。
 そしていざ戦争が始まれば、戦闘タイプの能力者はすぐさま兵士として派遣されてしまうだろう。

 そういった意味では僕のこの能力は戦争には使えそうにもないし、平和と言えば平和なんだけど・・・・
「よぉ、高原ァ」
やっとついた校門のところでやっぱり僕は声をかけられた。
この平和すぎる能力、体型のおかげで僕は中学に入ってからずっとイジメられている。
「や、やぁおはよう。木本君」
木本 達也。髪は茶髪で耳にはピアスをつけ、いつもいやな笑みを浮かべてて。
説明するまでもなく不良だ。
それもかなり強くて、僕らの学年の不良達はすでにほとんどコイツの配下だ。
「やぁ、じゃねぇよ。今日の献上金は?」
献上金。木本いわくこの学校の生徒は木本に毎日金を渡さなくてはいけない。
「あの、その件なんだけど今月もう危ないんだ・・・・だから・・・・」
「あ?」
「いや・・・・その・・・・」
「高原には感謝してるんだぜぇ?だから毎日俺の昼飯代だけでいいって言う特例まで出してんだ。」
「でも・・・・あの、その・・・・」
「ぐだぐだ言ってねぇで早く出せやコラァ!」

 結局僕はまた何もできないまま今日の昼飯代も取られてしまった。
「はぁ・・・・」
 しょうがないのだ。
僕のような敗者は、木本のようなヤツにいいように消費されるだけなんだ。
それでも献上金も僕が一番軽いらしい(木本によると)からどん底ではないと思う。
それもそうだ。木本が今、如月さんと付き合っていられるのは僕の能力のおかげなのだから。
「できれば献上金免除くらいしてほしいよなぁ・・・・はぁ・・・・つっ!」
今日3度目のため息をついたところで背中に鈍い痛みが走る。
「よう。ため息ついて元気ないね。おはよう高っちょ」
話しかける前に僕に攻撃を加えてきたコイツは金谷 カズタカ。
一応僕の友達だ。
「はぁ・・・・」
「な、なんだよ。今日は一段と疲れてそうだな」
「ああ。朝からお前のグロテスクな顔なんて見たからな・・」
「うわっひどっ!ひどいわぁ!」
そういって金谷はどこかへ走っていった。
「むさくるしいヤツめ」

 教室へ入り、自分の席につく。
毎朝毎朝、ここにたどり着くまでにどれだけ疲れればいいのかわからない。
どこでこんな人生になったのかと思うと、やはり産まれたときにこんな能力をつけられた所為だと思う。
あの野蛮な木本ですら”鋼の外装”通称『プロテクト』というモロ戦闘タイプの良い能力の持ち主だ。
これで木本が僕の能力を持っていたら笑えてしかたがないのだけれど・・・・現実はそうもいかない。
「おーはよっ高原君」
そんなことを考えていると声をかけられた。
「あ、おはよう、如月さん」
そう。例の木本の彼女だ。
「どうしたの?元気ないよ?」
「ううん。大丈夫、大丈夫だよ」
僕は苦笑いするしかない。元気がない理由が君の彼氏の所為だなんて言えるわけがない。
「そう?つらくなったら保健室いくんだよー」
「うん。ありがとう」
「りつー」
如月さんを呼ぶ声がする。
「あ、ごめーん。今行くー。それじゃ、無理しないでね」
そう言うと如月さんは向こうへ行ってしまった。
彼女は誰にでも優しい。
だから男子にも女子にも人気がある。
けれど彼女は木本のものだ。一年のはじめから。
僕のせいだ・・・・僕のせいだ。
僕が弱いばっかりに。
あんな野蛮人の手に渡してしまうなんて!
 いまさら考えたってしかたがない。
僕の『エンジェル』だって人の心をまるごと変えるわけではない。
きっかけを作るにすぎない。
精神操作の域ではないのだ。
だから、本人が本当にいやだと思うことは絶対にできないし、そうなってしまえば僕の『エンジェル』は解けてしまう。
当の木本も何回も如月さんに迫って、そのたびに『エンジェル』が解除され痛い目にあっている。
 如月さんの”アビリティ”は”絶度の冷気”通称『フローズン』、魔法タイプの能力だ。
それに比べ木本の『プロテクト』は物理攻撃に対してはかなりの強度を誇るものの、魔法攻撃に関しては紙も同然だ。
だから木本と如月さんは付き合ってはいるものの、いまだに関係をもったことはないらしい。
ざまぁみろだ。
 まぁ結局『エンジェル』が解除されたらされたでまた僕は<キューピッド>を使わされるんだけど。

 鐘の音がなり、一時間目が始まった。
一時間目は歴史らしい。
 話したように僕の国は軍事国家だ。
もちろん今までにいくつもの戦争をして、その結果領土を拡大してきた。
けれど昔は今ほど能力はたいした効力を発揮しなかったという。
 今でこそ能力は分析され、いくつもの結果を生み出しているけれど、昔はそれほど能力に対する知識がなかった。
たとえ能力者であっても、それの使い道が分からず、時には自分が能力者とは気づかずに一生を終えるものもいたとか。
そんな時代だから、戦争といっても白兵戦での正面衝突ばかりで、個々の能力よりも数が重視された。
けれどそんな考え方を変えざるをえない出来事が起きた。
 今から200年前。
この国が現在の領土まで一気に拡大する戦争が起きた。
俗にいう『アウターヘブンの大勝利』だ。
 その戦争中、一人の一般兵がいた。
そいつは名前は残されていないが、最強の能力者と言われている。
 通称『ジョーカー』。
どんな能力かは分からないけれど、そいつが剣を一振りすれば必ず敵が倒れるという無敵の兵士だったらしい。
その圧倒的な能力に、隣国はあっという間に敗北し、この国は勝利を収めた。
 他の国はその出来事に恐怖し、そして今までの考え方を改めた。
勿論この国はそれは想定外のことであったけれど、外国に知られないようにあたかもそれが作戦だったかのように見せかけた。
と、同時に能力者の育成に全精力をつぎ込んだのだった。
それは見事に成功し、今では能力者といえばアウターヘブンと言われるようになった。
 しかしその戦争を境に『ジョーカー』は行方不明になってしまったとされている。
もともと一般兵だったので、農民であった可能性も高く、戸籍などの照合は行っていなかったとか。
どちらにせよ、その後の歴史上に『ジョーカー』という名前は一切出てこない。

 カーンという鐘が鳴った。
休憩の時間だ。
さっきまで教壇に立っていた講師はすでに姿を消し、教室の空気もいつのまにか和んでいる。
この学校の授業制度は毎日6時間だ。
2時間ごとに区分けされているので、一日の科目は3種類である。
とはいっても毎回科目は一緒である。
歴史、知識、実技がそれぞれ毎日行われるわけだ。
「ふぅ・・・・」
一息ついたところで授業開始の鐘がなった。

 能力に対する知識の授業なのだけれど、今日の範囲は相性だ。
例えば、火を使う能力は当然水を操る能力に対しては半分の威力も発揮できない。
けれど、相手の能力が風であれば、火は通常よりはるかに強い威力を発揮できる。
基本属性である火などはまだ簡単だけれど、それが飛行、分裂、脚力といった肉体変化の能力だとそうはいかない。
そうなってしまったらお互いの能力の使い方しだいで勝敗は決まる。
けれどそのままぶつかったのでは勝ち目は薄い。
だから相手の不得意な地形や、自分の能力の有利な環境というのを知っておく必要がある。
この授業はそのためにあるのだけれど・・・・
いかんせん僕の能力はそれらが一切関係ない。
いや、能力の得手、不得手を知っておくにこしたことはないけど、なぁ。
大体争いごとが嫌いだし。
でも如月さんの能力だけはよく知っておこうかなーっと。
 そんな思考に達して、僕は教師の言うことは全く聞かずに氷属性について熱心に調べていた。
カズタカが言うには、すごく真剣で話しかけることすらできなかったほどだという。

 何はともあれ残すは後一時間だ。
実技の授業である。
だがこれも問題だ。
僕の『エンジェル』は壁などを壊すことはできないし、ものを作ることも不可能だ。
だから授業中することがない。
教師はそれを分かっているから、いつも見学でいいといってくれるのだけれど。
毎度毎度何をしていいのやら悩む。
あのカズタカですら”熱意の応酬”通称『ファイト』という、むさ苦しいがそれでも練習可能な能力をもっている。
「まぁいいや。寝てよっと」
そんなこんなで授業は始まる。

 「今日は進級テストを行う!」
開口一番教師の山本はそんなことを言った。
「「いよっしゃああああ!!」」
クラスで雄たけびがあがった。
 それもそのはず。
進級テストでいい成績を残せれば、”アビリティ”の強化が可能になるからだ。
もともと”アビリティ”はスキルを使うことが能力だ。
空を飛ぶ、火を操るなんていうのはそのスキルの使用によってもたらされる現象であって、自由自在に能力を使えるわけではない。
だから誰もが自分の”アビリティ”を強化したがる。
 国が解明した結果、4段階までの強化方法を知ることができた。
学校ではその4段階までを、進級テストという形で強化してくれるのだ。
いい成績が残せれば、の話なんだけど・・・・
 テストは特別な部屋で行われる。
広い部屋に生徒がいれられて、その部屋の隅にはまた部屋がある。
その部屋には講師がいて、一人ずつ名前を呼ばれる。
そこでテストが行われるのだ。
能力はそれぞれ違うから、内容も違うし、時間も違う。
このテストにカンニングという行為は不可能だ。
「如月 りつ。入ってきなさい」
如月さんの名前がよばれた。
如月さんは素敵な笑顔で部屋にはいっていった。
それと同時にでてきたカズタカの顔はだいぶ落ち込んでいた。
「なんだその顔は」
「聞いてくれよ高っちょ」
「な、なんだよ」
「もう少しがんばりましょうだってさ・・・・」
「つまり?」
「強化してもらえないって・・・・言わせるなああああ!」
「どんまい^^」
「うわあああああああ」
またアイツは走り去っていってしまった。
テストが終わってもまだ授業中というのに。
 しばらくすると如月さんが出てきた。
その顔はやっぱり笑顔だった。
如月さんはどっかの馬鹿と違って強化してもらえたらしい。
そして如月さんの次に入って行ったのは、木本だった。

 木本が中でテストを受けている間、生徒のみんなは誰もが静かだった。
あの木本が強化されてしまったら、みんな気が気でなかった。
 そしてしばらくして出てきた木本の顔は・・・・・・・満面の笑みだった。
木本も強化に成功したらしい。
全体の雰囲気が一気に暗くなった。
が、僕はそんなことはどうでもよかった。
木本は出てきたとき、まっさきに如月さんを見て、そしてニヤリと笑ったのだ。
あいつ、きっと何か如月さんの<アース・フロスト>に対抗できるスキルを身につけたんだ!
どうにかしなくちゃ、どうにかしなくちゃ。
でも、僕には。
「高原 徹。入ってきなさい」
そんな考えをさえぎるように僕の名前が呼ばれた。

 「そこに座りなさい」
部屋の中にはイスが用意されていた。
「まず君の能力は特殊だということを伝えておこう」
「はい・・・・」
どうしよう。
あいつは今すぐにでも如月さんを襲いたいはずだ。
でもそれを知っているのは僕だけだ!
「だから君用のテストは私には用意できなかった」
僕は『エンジェル』で如月さんにひどいことをした。
そしてこれからもそれを強要されるだろう。
「だからこのテストは校長先生に行ってもらう」
「え?」
しまった。聞いてなかった・・・ここで何かスキルを手に入れて木本をとめないといけないのに!
「はじめまして、高原君」
「は、はじめまして」
たしかこの人は、
「ワシは校長の厳道という」
そうだ校長だ。でも校長が何故・・・・
「君のテストはこのワシと戦うことじゃ」
「えっと・・・・え?」
「審査員は山本先生に頼みましょう」
「わかりました」
「ちょ、っとまっ・・・・」
「ではスタートじゃ!」
 ずっ、と空気が重くなる。
僕は校長の能力なんて知らない。
それなのに戦えなんて言うのか、何故!?
「君もワシもタイプは同じ、さてどうでるかな?」
「くそ、サモン!『エンジェル』!」
僕の横に丸い円とが現れそこに文字が書き込まれていく。
召還する際に現れる魔方陣だ。
「ほっほっ。ではワシもサモン。『イフリート』!」
ゴォという音がなった、と思った瞬間校長の後ろから爆炎があがった。
そしてものすごい勢いとともに全身に火をまとった『イフリート』が校長の後ろから飛び出す。
「なっ、はやすぎる!」
召還タイプの能力はその能力を発揮するまでに時間がかかる。
なぜなら能力の要となる媒体が現れるまでにいくつかの段階を踏まなくてはならない。
僕ならば円が現れ、その円に文字を書き込み、魔方陣を完成させなければ『エンジェル』は現れない。
たしかに能力によって早い遅いはあるとは聞いていたがこの『イフリート』は何が何でも早すぎる。
部屋全体が揺れ、その地鳴りとともに『イフリート』は校長の斜め前に降り立つ。
「さて、君の召還が終わるまで待つとしようか」
校長は相変わらずほっほっと笑っている。
 すぅ・・・・と『エンジェル』は僕の隣に立つ。
召還完了だ。
「ではいくぞい?<ヘル・ブラスト>!」
校長が唱えるやいなや、『イフリート』が地面を穿ちながらこちらへ突進してくる。
ていうか無理!死ぬしコレ!
「う、うわああああ」
もうすでに『イフリート』は目の前だ。
「え、『エンジェル』!」
僕はとっさに『エンジェル』を前に出す。
土煙とともに大爆発が目の前で起きる。
攻撃は・・・・僕には届いていない。
恐る恐る目を開けると、『エンジェル』が『イフリート』の拳を片手で止めている。
そして色のない目で目の前の怪物ではなく校長、厳道を睨みつける。
「下がれ」
校長の声で炎の怪物はすぐさま後退する。
「ほっほっ。よくやったよくやった。ワシの攻撃をランク1に止められるとはのぉ」
「は、はぁ・・・・」
「テストはこれにて終了。山本先生、合格じゃ」
「分かりました」
「合格・・・・?」
何の話だ。
「では、がんばるんじゃぞ、高原 徹君」
そういって校長は入り口とは別の扉から出て行った。
「というわけで合格だ」
「え?」
「合格といったんだ。これをやる」
そういって変な紙切れを渡された。
「さっさと出てけ」
そして追い出された。

 扉をあけ、目の前で待っていたのは如月さんなどでは勿論なくて、ただのカズタカだった。
「どうだった?なぁどうだった?」
「いや、なんというか」
「不合格?不合格だろ?しょうがないよなぁ・・・・今日は慰め会しようぜ!」
「合格、は合格らしいんだけど」
「まあテスト時間高っちょは異様に長かったからもしかしたらって思ったんだけどやっぱり・・・・はい?」
「だから合格だってさ」
「・・・・いやいや、そんなビックリいらないって。いいから今日俺んちで泣こうぜ?」
「勝手に一人で泣いてろよ」
「マ、ジで?」
「うん。マジ」
「 」
「おい、なんだよ」
「う」
「う?」
「うわああああああああああああああああああああああああああ」
そういってカズタカはまたどこかへ行ってしまった。
「そういえばあいつ毎回どこいってんだろうな」

 まずは渡された紙切れを読んだ。
きっと強化についての説明が書いてあるんだ。
すぐに目を走らせた。
「テスト合格おめでとう。
でも先生はサモン系列専門ではないので君の強化点など知らん。
勝手に見つけろ」
 二回読み直した。
「おいおいおいおい、んだよ・・・・これ」
 強化点など勿論分からない。
分かったことといえば山本のやる気が皆無に近いことくらいだった。
 木本がこの後すぐに行動を起こすことは間違いない。
分かっているのに僕には新しい能力が何なのかを把握することはできなかった。
いや、新しい能力が身についたのかも分からない。
僕はまた指をくわえて誰かが悲しむのを眺めることしかできないのか!
僕のこんな能力なんて、所詮誰かを不幸にすることしかできないのか!
こんなことだったらまだ無能者の方がよかった・・・・

 ***

 そのままテストは終わり、8割テストに合格し、カズタカを含む残り2割は残念ながら次回に持ち越しとなった。
そして今日の授業は終わる。
その後は自由だ。
残って訓練所を使わせてもらっている生徒もいれば、そのまま帰宅する生徒もいる。
僕の能力なんて訓練のしようがないからいつもすぐに帰宅する。
だけど今日は帰れない。
木本がいる場所は分かってる。
そしてそこに如月さんがいるのも分かってる。
僕はそこに行かないといけない。

 広いグラウンドの端にある体育倉庫。
そういえば僕が<キューピッド>で木本と如月さんをくっつけたのもここだった。
あのときは本当に怖くて、どうしようもなくて。
言われるがままに能力を使った。
怖いのは今も同じだ。
本当言うと帰りたい。
ダッシュで校門に向かいたい。
でも、でもそんなことはできない。
僕に残ったちっぽけなプライドがさせてくれない。
でも扉が開けない。
手をかけるまではいっているのに、どうしてもそこから動いてくれないんだ!

 「きゃあ!」
そのまま固まっていたら中から女の子悲鳴がした。
僕は無意識に扉を開けた。

 中には案の定木本がいて、如月さんがいた。
「よぉ・・・・おまえこんなとこで何してんだ?高原ァ」
いつも木本にくっついてるやつらはいないみたいだ。
当たり前といえば当たり前か。
倉庫の中は冬みたいに涼しい。
床全体に氷のまくが貼られている。
如月さんの<アース・フロスト>の所為だろう。
いつも木本はこのスキルで足を固められ動けなくなってたんだ。
しかしその木本は今、その氷を砕き、足をあげている。
勿論その体は鋼の鎧につつまれている。
「何しにきたんだっつってんだよ!」
「木本・・・・お前の邪魔しに」
言い終わらない内に体が吹っ飛ぶ。
「木本だ?誰に口きいてんだああ!」
真夏のグラウンドに体を叩きつけられる。
「今ならいなかったことにしてやる。さっさと帰れザコが」
どれだけ帰りたいことか。
「殺されたくなかったらなぁ?っははは」
そういって木本は倉庫の扉をしめる。
別に殺されたっていいんだ。
自分のまいた種だ。
どうせこのまま帰ったってまた如月さんは木本とくっつけられる。
そんな能力を持つ僕なんか死んだほうがいいんだ。
そうだ。
どうせ死ぬんだ。
だったらせめて
「如月さんを守って死にたい!」
思いっきり扉をあける。
木本は鎧を解いて如月さんにせまっていた。
「・・・・はぁ?お前何か言ったか?」
「お前には負けないって言ったんだ。木本」
「殺すっつったよな?」
「やってみろ。サモン。『エンジェル』!」
「お前ごときに何ができるってんだよ。殺してやるよ。<アーマー>!」
木本の体を鎧が覆っていく。
丸い肩当。十字架が刻まれた胸当て。鋼のグローブ。重みのあるブーツ。縦線の穴が開いた兜。
まるで西洋の鎧だ。
「ぶっころす」
僕の召還も終わった。
ただではやられない。
「二体一だ」
「ほざけ。たかがデブと『エンジェル』だ。瞬殺してやるよ」
がしゃがしゃと重みのある鎧をきたまま木本は走ってくる。
「うらあ!」
大きく振りかぶった右ストレート。
まっすぐ僕の顔面へ飛んでくる。
「『エンジェル』止めろ!」
でも当たらない。
「このクソ天使が!」
そのまま左こぶしで『エンジェル』を殴る。
でもそれも片手で止める。
「これでも僕を殺すなんてできる?」
「ああ。お前はそこでつっ立ってどうすんだ?びびりが」
「こうするんだよ。うおおおおおおおおお」
雄たけびをあげそのままタックルの体制で突っ込む。
反撃できないんだ。
だったら木本だって怖くない。
「ばかが。<ニッグホッグ・シールド>!」
「スキル!?」
木本の鎧のところどころから針が飛び出す。
もう目の前だ。止まれない。
「く、エンジェル!!」
今は木本を抑えている場合じゃない。
すぐさまエンジェルに防御するように指示する。
「ぐああ!」
なんとか直撃は避けたけれど、それでも肩に数本ささる。
「あのまま帰ってたら痛い思いしなかったのにねぇ?」
木本は上機嫌だ。
「・・・・るかよ」
「あ?」
「帰れるかよっつってんだ!」
僕はいくら痛い思いしたっていいんだ。
「僕が・・・・俺が帰ったら如月さんが痛い思いするだろうが!!」
そう。僕はどうなったっていいんだ。
「お前、うぜえよ」
如月が手を前に出し、かまえる。
僕もエンジェルを近くに持ってきて形だけでもファイティングポーズをとる。
「大体お前如月の何でもねぇだろ。人の彼女に口出しすんじゃねえよ!」
「誰のおかげだと思ってん」
「黙れぇぇえええ!<ニッグホッグ・シィイイルド>!!」
「これだから低脳はああっ」
 木本の体から発射される針千本を、狭い倉庫のなかを転がりまわりながら回避する。
なんとか打開策を見つけるんだ。
僕は自分の体のことなんか気にしちゃいけない。
さっき受けた肩の痛みだって我慢して・・・・あれ。
「傷が・・・・治ってる?」
一体どういう。
「結局逃げ回るだけかカスが。何にもできねえんなら最初からでてくんなつってんだろ」
でもいつの間に?
「隠れてる場所は分かってんだよ。さっさとそのマットの山から姿現せ」
最初からあたってなかった?いやそんなはずは。
あの痛みは確実にあたっていた。
「ちっビビリが」
 木本がガシャリガシャリと近づいてくる。
でもじゃなかったら一体どうして。
「ほーら。みぃつけた」
「しまっ」
 もうすぐ目の前に木本が立っていた。
そしてそのまま手の平をこちらに向けて、
「<ニッグホッグ・シールド>」
今度は体中から無差別に出る、なんていう命中精度の低いものじゃない。
手の平からそれと同等の数が出る集中攻撃だ!
僕にエンジェルを盾にする時間は、なかった。
「あ、あああああああああああああ」
 倉庫の中に僕の悲鳴が響く。
「ひぃぃぃはあああああ」
それに共鳴するように木本の喜びの奇声をあげる。
「いいねえ。いいねえこの叫び」
 僕はその声を聞きながら体を動かすこともできずに横たわっている。
木本は僕に背を向けて如月さんの方へ歩き出す。
「全部全部思い通りだ。俺の思い通りになってりゃいいんだよ」
 木本は鎧を解いて如月さんに近づく。
だめだ・・・・
「さぁ如月。俺のものになるんだ」
そんなことは・・・・
「いや・・・・やめて」
「口答えするんじゃねえよ。さっさと横になれ」
そんなことはさせない!
「やっとだ。ここまで待ったかいがあったぜぇ。今日、今、この瞬間から俺は如月を犯す!」
「・・・・んなことさせねえっつってんだろ」
「あ?」
 振り向いた間抜けずらに思いっきり右ストレートをかます。
さすがの木本もそのまま倒れる。
「てめぇあの針をどうやって」
「避けてはいない。全弾命中したよおかげさまでな」
「だったらどうやって!何故そこに立ってられる!」
木本が怒り任せに立ち上がり咆える。
「っち、次は怪我ではすまさねえ。殺してやる殺してやるよ<アーマー>!」
木本の<アーマー>はサモン系と一緒で装着に多少時間がかかる。
「させない!」
 一気に詰め寄り今度は飛び蹴りをかます。
体重90kgのとび蹴りだ。
 吹っ飛べ!
「ぐふっ、」
蹴られた木本はそのまま構築途中の鎧とともに壁に激突する。
「ほらさっさと立ち上がれよ」
「げほっ、くそ、ごほ、ごほ、ちくしょうが」
 木本はよろよろと立ち上がる。
構築を妨害された鎧はそのまま木本の体から落ちて、床につく瞬間に分解される。
「てめぇなんかなぁ、はぁ、鎧がなくても、はぁ、ぶちのめせるんだよ!」
 体制をたてなおし、木本がこぶしを振り上げ向かってくる。
でも、俺ももう逃げない!
「うおおおおおおおおおおお」
 木本に向かって腕を振りかぶり突進していく。
木本は右フック。
俺も右フック。
当然急所である顔面ねらい。
見事にクロスカウンターが決まり、双方の勢いで別々の方向にふっとばされる。
「がはっ」
「っぐ」
それぞれ壁に床を転がり壁にぶつかる。
「ってぇな・・・・全く」
頼むからもうそのまま気絶しててくれよ。
 けれど倉庫の中の埃が舞う中。
かすれた目がとらえたのはおぼつかない足取りだが立ち上がろうとしている木本だった。
「まだ立つのかよ・・・・やめてくれよ」
膝に手をあて、呼吸を整える木本。
やっぱり僕が勝つなんてかっこいいこと出来るわけなかったのか。
せめて如月さんが今のうちに逃げてくれれば・・・・如月さん?
 気がつくと如月さんがいた場所にはすでに如月さんの姿がなかった。
あれ、いつの間に。でも逃げれたん
 如月さんは木本のすぐそばにいた。
え、ちょ何して・・・・早く逃げて・・・・
 けれど僕の体はもう言うことを聞いてくれない。
倉庫の床がやけに冷たく感じる。
ダメだ。ここで気を失ったら・・・・・・

 「<アース・フロスト>」
「何!?」
木本が急いで振り向いた先にはさっきまで離れた場所にいた如月 りつがたっていて。
そして地面は如月のスキルによって氷付けにされていた。
木本の足と共に。
「くそおおおおおお。何しやがる離しやがれえええええええ!」
しかし如月はそのまま木本を無視して高原のもとへ行く。
「これをはずせって言ってんだコラあああ」
そして重い高原をなんとか引きずって倉庫を出て行く。
木本は力任せにむりやり足を動かそうとする。
しかし今の木本は生身だ。
氷のせいで足首がすれて痛み、解くこともできない。
せっかく手にしたアンチ魔法防御スキル<マナ・リフレクト>も鎧をきなければ意味がない。
今の木本に<アーマー>を使う体力は残されていなかった。
「きさらぎいいいいいいいいい!」
一人残された体育倉庫に、ぼろぼろの男の声がこだまする。

 気がつくとベッドにいた。
「っっつ!?」
体を動かそうとすると猛烈に痛む。
「あ、大丈夫?」
「う、つぅー」
なんとかこらえてなんとか体を起こした。
そしてそのすぐ目の前にいたのは如月さんだった。
「うわあああ」
そのまままたベッドにマッハで戻る。
「クスっ。元気そうね」
如月さんは笑ってる。
 そうだ!
「木本は!?」
「だーいじょうぶ。ここ私の部屋。あいつここの場所知らないし」
そうか。何とかなったんだ。
如月さんが笑ってるところをみるとすべて無事に終わったみたいだ。
これでよかっ、よくねええええ!
今なんて?!
如月さんの部屋!?!?
ってことは如月さんのベッド?!!??!?!!
「△○→*%&#$!~|=_?>」
声にならない声をあげ痛む体を引きずりベッドから出ようとする。
けれど思うように抜け出せない。
そして動くたびに布団という布に体をひっぱられ、それだけでも体は悲鳴をあげる。
「なにしてんのよ。じっとしててよね。あ、今何か食べ物もってくるから」
そういって如月さんは部屋を出て行った。
これは一体全体どういうことか。
どんなフラグ回収をしたらこんな結末になるというのだ。
たしかに願ってもない幸福な出来事ではある。
あるのだが、どうにも僕にはこのあとに死が待っている気がしてならない。

 死亡フラグ

ご存知だろうか。
そのフラグの先には死が待っているとされるフラグ。
今僕が歩んでいるこの先にはその死が待っているとしか考えられない。
 そんな僕の頭に浮かんだのは「逃走」の二文字。
よし!っと意気込んで行動を開始しようとしたのだが、それが出来ない理由があった。
 僕の今の状況といえばぼろぼろで如月さんのベッドに横たわっているわけで。
無論体を動かそうとすれば全身が悲鳴をあげるわけで。
そんな僕に「逃走」などできるはずもなく。
ただひたすらに死が近づいてくるのを待っているしかできなかった。
「おまた、せ。甘いもの嫌いじゃないよね?」
そして死、というのはものすごいスピードで接近してくるものだ。
弾丸だってそうだろう?
「で、この人が私のお父さん。男の子家に招くのなんて初めてで、お父さんがどうしても会いたいって」
少し照れながら話す如月さんはいつもよりもかわいく見えた。
その相乗効果か分からないが、横にたつ大男はすごい威圧感があった。
「ほう、君がりつの・・・・」
というかこの人
「『サンダーボルト』!!」
「驚いたかね?」
「だって、え。如月さんのお父さんって執行者だったんだ・・・・」
「そんなにすごいことじゃないけどねー」
 如月さんはなんでもないように言うけれど、執行者といえば実力はトップクラスで。
国からその能力を買われ、罪人を裁く、という条件で能力をどこでも自由に使うことが許されたエリート集団だ。
まさかそんな人が如月さんのお父さんだったなんて。
「あの、その、はじめまして、こんにちわ」
 僕は体が痛むのも気にせずに正座でおじぎをした。
「いや、いいんだよ。事情は聞かないがりつを助けてくれたんだろう?」
「助けるなんてそんな」
「いいんだよ。それよりも年頃の女の子の家に夜遅くまでいることが私には・・・・」
「うわあああああすみませんすみませんすぐでていきます」
すっかり忘れていた、というか気づかなかったが外にはもう太陽はいなくて、その代わりに月と星がきらめいていた。
全力で立ち上がり外へ出ようとする。
「かかかっ冗談だよ。そんなに急ぐこともあるまい」
「もうお父さん!」
きょとんとした顔で見上げる。
そのいかつい顔をゆがませて愉快そうに笑っている父親がそこにはいた。
これがこの人の親しみの表現なのだろうか、今は体に悪すぎる・・・・
「だが、君の家のこともあるだろう。なんなら私が送っていくが?」
「いや、でもそこまでしてもらわなくても・・・・」
「いいんだよ。ほんのお礼だ」
「・・・・・お願いします」

 如月さんに介抱してくれたお礼をいい、如月家を後にした。
後にしたといっても、如月さんのお父さんが運転する車で送ってもらったのだが。

「本当にありがとう」
車の中で突然言われた。
家のなかでした冗談なんかではない、そんな空気が流れていた。
「あの子は私の所為もあって昔からいざこざに巻き込まれやすいんだ」
執行者を父に持つのだ。
罪人からの印象はいいものではないのだろう。
「それを私に話さないのも昔からだ。だから今日何があったのかは知らないし、娘にも聞かない」
聞いてしまえばこの人はそれを解決しようとしてしまうのだろう。
でもそれは同時に如月さんのいろんなものも壊してしまう。
それだけの力がこの人にはあるのだ。
「聞いたところで娘の傷が広がるだけだ」
執行者だからできること。
執行者でもできないこと。
「娘に必要なのは私のような父親ではなく、君のような良き友人だ」
執行者でなくてもできること。
僕なんかでもできること。
「娘を頼む」
言葉ではなく僕は強くうなずいた。
それをミラー越しに見たのかは分からないが、彼はその後はただ微笑んでいた。

「送っていただいて、ありがとうございました」
幸いにも如月さんの家と僕の家はさほど距離はなかった。
「いや、いいんだよ。それでは気をつけてな」
それだけ告げて彼は車に戻ってしまった。

 家に帰ってきても、両親はすでに寝てしまっていて、家の中は真っ暗だった。
起こさないように僕は二階の自分の部屋へと忍び足で向かった。
ついたとたん一日の疲れとか、さっきまでの重苦しい雰囲気とかでだいぶ参っていたのか。
そのままベッドに倒れこんでしまった。

 ***

 昨日どれだけ僕が奮闘したって。
どれだけ傷ついたって。
暑苦しい朝はやってくる。
 両親はとっくに仕事にでかけていた。
僕はのそのそと階段を下り、いつものようにトーストを食べながら朝のニュースを見ていた。
ニュースは最近話題になっている殺人鬼が町をうろついているとか物騒なことを話していた。
すぐに執行者が始末してくれるさ。
 そんな風に朝の時間は流れる。
そのまま流れるように忘れてはいけないのは、今日も学校がある、ということだ。
 すっかり和んでいた僕は、学校までにある坂を全力疾走しないといけないはめになった。

 急いで教室に入る。
自分の机に荷物を置き、そのまま息を整えるために深呼吸をする。
「すぅー・・・・はぁー・・・・」
だけど僕には深呼吸をゆっくりする権利すらないようだ。
「よっ!」
という掛け声とともに僕の背中を強打するヤツがいる。
そんなことをするのは無論カズタカというどうしようもないクズ野郎である。
「がはっごほっげほっ」
「お、おい大丈夫か・・・・?」
「貴様のせいだあほやろうが!」
「いやーすまんすまん。はっはっはっ」
「今ほどお前を殺したいと思ったことはないね。常に殺意は抱いてるけど」
「ひどっ、今日は朗報があるのに!」
「なんだよ・・・・三行で話せよ」
「今日は
 木本が
 来てないよ」
「え・・・・」
「ね?朗報でしょ?」
あいつが学校を休む?
自称ヘッドとか言ってたやつだからヘッドが顔出さないのどうのって学校には毎回着てたのにあいつが休むなんて。
「どうしたの黙っちゃって」
昨日のあれで?
そんな、まさか。
手下つれて僕を殺しにくるならまだ分かるのに。
「まじめな顔してつまんないの」
能天気なカズタカがどこへ行こうとかまわないがこの胸に残る違和感はなんだ。
でもそんな心配をどこかに吹き飛ばしてくれる声がした。
「おーはよっ。傷とか、大丈夫だった・・・・?」
如月さんに決まっている。
「あ、おはよう。うん、全然心配ないよ」
カズタカと如月さんが同じ人間だとは思えないね。
だって如月さんと話すとこんなにさわやかな気分になるけれど。
カズタカと話してるとなんか下水道を一人でただただ歩いているような、そんな無意味な行動にをしているようで気分が悪い。
「昨日はお父さん失礼なこと言ってなかった?」
「いや、全然。やさしい感じでいいお父さんだったね」
「うん、でも心配性っていうか・・・・」
「それは贅沢じゃないかな?」
「ふふ、そうかもね。それじゃまた」
そういってさわやかに如月さんは去っていった。
さるときもさわやか。
カズタカは去るときはどろどろとした空気を残していくのに。
もうアイツは人類じゃないんじゃないか。

 結局今日は木本の手下に襲われるとかそんなデンジャラスなイベントはなくて、平和な一日がすぎていった。
まるで昨日のことは嘘みたいに如月さんは普通に笑っていて。
みんなは木本がいないということで楽に過ごしていた。
僕もまだ体中痛むけれど、全然元気だ。

「娘を頼む」
 如月さんのお父さんはどんな気持ちでその言葉を僕に言ったんだろう。
僕を見込んでのことだろうか。
だとしたらとんだ勘違いだ。
僕はただのデブで、能力もぜんぜんつかえないのに。
 でもそれでも僕は如月さんを守ってみようとおもう。
如月さんが笑顔でいるだけで、僕はなぜか救われた気持ちになるんだ。
この笑顔を僕が守れるなら、だったら僕は何でもしよう。
そう決意した。
たとえ殺人鬼が現れたって守って見せよう。




てすてす

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No title

サッカー選手が出てくる物語・・・だとッ・・・

いいセンスだ。ぴゃーwww

P.S.今は本名公開せずに「田井中 律」でやってるZE

No title

ことみの書いたすとーりーなんて・・・あれ・・・?
おもしろ・・・

でもどっかでみたことある!ラノベとかで!

というか・・・

うわあああああ名字ばれしたあああああああ
くそぅ。。。ばらしたな!

No title

もうなんかカズタカがそのまんまだな
 これひど時報V2
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    オオスミ(自宅兵士) かわいいかかわいくないかは問題じゃないんだよ。問題はパンモロできるかどうかなんだ。



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    暇人
    俺男の娘だから今女装してるんだ。



    ニタロ
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    くれない
    オレはファイムと精液が同じなんだ



    くれない
    ペドフィリアってかっこいいよね



    ざんちゅー
    水色パンツうひゃひゃひゃひゃwww



    カズタカ01
    痩せてるオレは可愛いんだ!



    くれない
    そのふとももがいけないんだ!そのふとももがオレを狂わすんだ!



    くれない
    パンツはいてるのは問題だろ。



    カズタカ01
    お前幻覚を聞いているんだよ。



    ファイム
    なんで暇人のカーチャンそんな素敵な声なんだ。



    ざんちゅー
    勘違いしないでほしい。俺がエロゲをやるのは愛がほしいからなんだ。



    ファイム
    最近、男の子がいいと思うんだ。



    オオスミ(自宅兵士)
    アヘ顔とか・・・
    アリだろ



    ファイム
    え、俺、童貞じゃないんだ。ごめんね。



    オオスミ(自宅兵士)
    ちょっともう少しで[同級生♂]が攻略できそうなんですよ。



    暇人
    今日から俺はアイドルだ!



    暇人
    2次元に性別の壁なんて関係ない!

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